
この作品にはリキテンスタインのトレード・マークの水玉模様が見当たらない。しかし新しい要素がいくつも登場している。右上と右下の模様は76年の「エンタブラチュア(破風)」シリーズつまりニューヨークのクラシックな建築の部分、その隣緑色は板目の表現、最上端の赤黄のギザギザは80年の「アメリカン・インディアン」のシリーズに登場といった具合。左上のアールデコ調の太陽とその下の歯車などメカニカルなモチーフは60年代からのものだ。右下の三色はフランス国旗を思わせるが89年の「ボビー・ケネディ」の背景に使われている。この版画が収められている版画集『アメリカ第三世紀』は建国200年記念に出版されたものだが、リキテンスタインはアメリカの未来と自分の作品の将来とを象徴しようとしたのかもしれない。東京アメリカン・センターのオフィスに昔からかかっているのも当然だろう。要素は込み入っているがデザイン性が高くリファインという言葉がぴったりだ。どんな部屋もこの1点でモダン・リビングに様変わりするに違いない。
1923年10月27日、ニューヨーク生まれ、1997年9月29日没
リキテンスタインといえば漫画の絵で知られるが、ニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグで学び、オハイオ州立大学在学中に兵役を経験した彼は最初抽象画家だった。初めてドナルド・ダックとミッキー・マウスを作品にしたのは1961年38歳のときである。印刷物の漫画を拡大すると、印刷の網点(ドット)が水玉模様になる。そして赤、黄、青、黒の4色。正確に漫画を模写したと誤解されがちだが、精妙に変更が加えられ、漫画を絵画作品の域に高めている。ドットと4色の特徴あるスタイルでモネの連作、ピカソ、モンドリアンなどの名作を捉え直し、数多くの傑作を残した。野外彫刻や壁画も多数手がけ、昨年、生前依頼を受けたニューヨーク42丁目の地下鉄の駅の壁画『タイムズ・スクエア』が完成して話題に。つねに家庭を愛し、晩年は室内や家の外観など家そのものをテーマにする一方、中国の古い山水図にインスピレーションを得て新境地を切り開きつつあった。
| 制作年 | 1976年 |
|---|---|
| エディション | ED 118/200 |
| サイン | あり |
| 技法 | リトグラフ/シルクスクリーン |
| シートサイズ (縦×横) |
76x56cm |
| 作品の状態 | 良好 |
| 額仕様 | 白/うかせ |
| 額寸 (縦×横×奥) |
84x65x4cm |
| お届け期間 | --- |
| 特記事項 | |
| 海外店頭価格 | 7000 ドル (2003/07/01 更新) |
| A000-00018 |