
目を引くのは鮮やかなショッキング・ピンクに近い水玉模様、バラの花や猫もいるし、真ん中一番上の譜面台もオシャレ。でよく見ると本物のプラスチック製の定規が貼り付けてあったり、紙の上に貼られた布は紗のような絹らしく高級感がある、それとプラスチックのチープな感じがアンバランスだけどしっくりしていて見事。手の込んだ作品だ。ケージというとペット用の籠を連想するけれど、下のほうの人物はどうやらラウシェンバーグの親友だった作曲家ジョン・ケージの若き日の姿と思われる。自動車のハンドルを握っているようだが、舗道に画用紙20枚をつなぎ合わせて、その上を彼の車がゆっくり動き出す、後輪タイヤにラウシェンバーグがインクを塗って追いかける。長さ7メートルの紙にタイヤの後がプリントされる。1953年二人の共同制作の様子が想像される。
1925年10月22日、テキサス州ポート・アーサー生まれ
ニューヨーク、アート・ステューデンツ・リーグで学んだラウシェンバーグは、1950年代、白一色の「ホワイト・ペインティング」やつなぎ合わせた画用紙の上に自動車を走らせてタイヤの跡を印した作品、キャンバスに古タイヤ、べッド・カバーや剥製の動物といった廃品を貼り付けて荒々しく絵の具を塗りたくった「コンバイン・ペインティング(物と絵とを組み合わせた)」を制作する。1962年、ウォーホルより一足先にキャンバスに写真を転写する「シルクスクリーン・ペインティング」の制作を開始、写真は自分で撮影したもの以外に新聞や雑誌、美術雑誌を脈絡なく組み合わせ、アメリカの時代、土地、そして社会を浮き彫りにした。作曲家ジョン・ケージや舞踊家マース・カニンガムとも活動をともにした。1993年第2回ヒロシマ賞受賞、1997年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で大規模な回顧展開催。



