
人間の肖像写真と豚や羊、猿といった動物の姿をデジタル抽出により結合、一体化させるダニエル・リー。実物を撮影した写真!?と見まごうほどのリアルさです。十二支を描いた「Manimmals」、ダーウィンの進化論の過程を追った「Origin」、擬人化された動物たちがニューヨークの夜を楽しむ「Nightlife」などのシリーズを1993年から発表し続けています。本作品は、2004年秋にncaにて初公開された「Harverst(収穫)」シリーズからの1作品。リーは、人間はいずれ他の動物から臓器を受け入れ、新鮮なドナーを貯蓄することが可能になると想定しています。人間の目や心臓、その他の”収穫”臓器を提供する、新しい品種の家畜が暮らすであろう未来を描きました。さらに、数世代後この動物たちは人間的な特徴やしぐさを見につけるまでに進化するであろう、と予測したのです。従って本シリーズに登場する動物たちは皆、人間のように喜びや悲しみの表情をなげかけています。本作の羊も、いずれ自分の臓器を、あるいは生まれたばかりの子羊たちの臓器を人間に収穫されてしまうかもしれない、といった不安や諦めの表情を浮かべているようにみえませんか?人間のテクノロジーの進化がこのような世界を可能にするかもしれない、と提唱する反面、リー自身がこのような作品を発表できるのもテクノロジーの進化によるものだとは、何やら皮肉な事象です。
1945年、中国、重慶生まれ。
台湾で育ち、中国文化カレッジでファイン・アートを専攻。卒業後、米国へ渡る。フィラデルフィア・カレッジ・オブ・アートの写真・フィルム科にて修士号を取得、ニューヨークでアート・ディレクターとしてのキャリアをスタートさせる。1970年代後半からは、写真家として活動。1993年以降は、コンピュータ技術により、写真、ドローイング、ファイン・アートなど様々な技能を融合し、独自の表現方法−高解像度デジタルカメラで撮影された人間の肖像写真と羊や豚、猿といった動物の姿をデジタル抽出によって結合、一体化させる−を編み出す。リーの打ち出すイメージは思わず息を呑むほど真にせまっている。「Manimals」、「Judgement」、「108 Windows」、「Origin」、「Nightlife」などのシリーズを発表するが、いずれも現代社会を風刺しウィットに富んだアイロニックな作品である。リーの作品が、他のコンピューター・アートの創るいわゆるサイケデリックな未来像とは異なっている点は、作品に対する尺度とプレゼンテーション、そしてセンスである。彼の作品はニューヨークタイムス誌、ハーパース・バザー誌などの雑誌にこぞって取り上げられている。また、アメリカのみならず、フランス、イタリア、イギリス、カナダ、台湾など各地で展覧会が開催され、賞賛を呼ぶ。2003年、ヴェニス・ビエンナーレ台湾代表。日本では2004年ncaにて「Harvest」シリーズを発表。生きた動物を主題に使うという実験的試みを行なう。2005年には、世界最大のメディア・アートの祭典「アルス・エレクトロニカ」(オーストリア・リンツ)に参加。リーの作品が展覧会PRのメインイメージとして採用され、大きな話題になる。さらに、上海や北京の美術学校やアメリカ各地の大学、およびハーバード大学フォッグ美術館にて教鞭をふるう。
| 制作年 | 2004年 |
|---|---|
| エディション | ED XX/30 |
| サイン | あり |
| 技法 | デジタル Cプリント |
| シートサイズ (縦×横) |
21.6x28cm |
| 作品の状態 | 良好 |
| 額仕様 | ふきとり |
| 額寸 (縦×横×奥) |
31x38x3cm |
| お届け期間 | 約3週間 |
| 特記事項 | ※日本向けに制作されたスペシャル・エディションとなっております。 |
| 海外店頭価格 | no data (2005/09/09 更新) |
| A000-00570 |