
2004年に制作された「Blood, Sea」シリーズはフロリダ・タンパの現代美術館を皮切りにベルギー、上海現代美術館、東京、韓国、スペイン、ポルトガルと世界各地を巡回するクオリティの高い作品である。今回ご紹介するのは、巡回展のスタートとなったタンパ美術館が制作したスペシャルエディション。キュレーター、イタロ・カルヴィーノはこのシリーズに『血と海は私たちの細胞の源であり、海の壮大なファンタジーは私たちの一部でもある。かつて生命体が漬かった海は、今、生物の体に内包されているのだ』と寄せている。「水」をテーマに、水際、岩場や砂浜で繰り広げられるはかなくも美しい人魚の世界は、自然への畏怖やほとばしる生命力を感じさせる。日本で手に入るのは今回入荷分のみなので、お見逃しなく。
1973年、ドイツ、ミュンヘン生まれ。
ハンブルグの大学を卒業後、ニューヨークに移住、スクール・オブ・ビジュアル・アーツにて修士号を取る。ドローイング、写真、映像フィルム、インスタレーションなど、彼女の表現方法は多岐にわたる。ドイツ人の父とブラジル人の母を持ち、幼いころから自らのアイデンティティについてずっと問い掛け、制作する作品に深い影響を与えている。ジャナイナという名前は、ブラジルのカンドンブレ地方の水の女神の名前に由来する。作品には、与えられた自らの名前に導かれるように必ず水と女性の身体が重要なモチーフとして現れ、チェッペの水に対するパーソナリティの強さを感じさせる。作品に登場する女性たちは大抵、チューブやメッシュでできた複雑なコスチュームや、水で膨らませたカラフルなコンドームの風船を身体にまとい、月の下や水中で物語が展開される。いずれも形が侵され変容し、女性の身体は新しい生命体として存在している。チェッペは自身の作風を「未熟で、ウェットで、ソフト、そして時に生っぽい」と表現している。確かにその独特の質感は、見る者の皮膚感を強烈に刺激し、得体のしれないものに対する不安感と痛々しさをも与える。しかし、漂う独特の浮遊感はどうしようもないほどに美しい。これまでにヨーロッパを中心にスペインのレイナソフィアやハンブルグ美術館、ストックホルム美術館等で展覧会が開催される。2005 年にはフロリダ・タンパ美術館を皮切りに「Blood Sea」の新作インスタレーションがアジア各地にて巡回される。上海のコンテンポラリーミュージアムで開催後、2006年に東京に巡回予定。MOMAやポンピドゥセンター等美術館のコレクションにも数多く入っている。
現在、ニューヨークのグッゲンハイム美術館にて開催中のグループ展に出展中(2010. 9/6まで)
現在、パリのポンピドゥーセンターにて開催中の展覧会『ELLES』展に出展中(2011. 2/21まで)
2010.9/11 より ニューヨークのSIKKEMA JENKINSにて個展を開催予定
2010.9/11より開催の釜山ビエンナーレ2010に出展予定



