
タイトルのグローイングはふつうは成長の意味だけれど、ここでは一人の人間の成長ではなく、人間がどんどん増えていくといった感じだろう。バランスをとりながら一人の上に次々と人が肩車やら逆立ちをして何人もの人間トーテムポールを作っていく、そんなサーカスの出し物が思い出されるだろう。両側から頭を突っ込んでいる人たちはまさに逆立ちをする直前のようだ。大勢の人たちが互いに手をつなぎバランスをとりながら支えあう。亀の親子ではないけれど、一人がこければ皆こける。そうならないように表情は見えないが皆歯を食いしばって必死で頑張っているに違いない。世の中の人たちも頑張って皆とバランスを取って、つまり助け合って生きていけばよいのにというキースのメッセージが、ちょっぴりユーモラスに伝わってくる。一筆書きのようにスピーディなドローイングの線は地下鉄のホームで落書きをしていた頃と変わらず明快だ。左右対称のようで微妙に違っているところを探してみるのも面白い。
赤、黄、緑、青、黒、これら原色をたくみに組み合わせ、カラフルな作品に仕上がっている。通常のエディションとは色を一部入れ替えた試刷りグリーンとブルーとが入れ替わったレアもの。
1958年5月4日、ペンシルヴァニア州カッツタウン生まれ、1990年2月16日没
20歳の時に引っ越したニューヨークで、バスキア、ケニー・シャーフたちと出会い、美大卒なのに地下鉄の広告板の黒い紙にチョークで落書き(サブウェイ・ドローイング)をはじめる。トニー・シャフラッツィのギャラリーでアシスタントの仕事につくが、すぐに取り扱い作家の一人となり82年に個展開催。1986年落書きをやめ、キャラクターを商品化してポップ・ショップを開店する。1989年エイズ感染を公表、エイズ知識を広めるためのキャンペーンにかかわり、キース・ヘリング財団を設立したが翌年亡くなった。彼のシンプルかつユニークなキャラクターは、直接には漫画から出てきたものだが、学生時代ロラン・バルトやウンベルト・エーコなどの構造主義の記号学を学び、ウイリアム・バロウズの詩を参考としつつ、言語的な記号による絵画表現を模索した結果なのである。 1997年ホイットニー美術館で大回顧展が開催され、1993年、東京の三越美術館で、2000年には伊勢丹美術館で回顧展開催。
| 制作年 | 1988年 |
|---|---|
| エディション | TP 8/100 |
| サイン | あり |
| 技法 | シルクスクリーン |
| シートサイズ (縦×横) |
76x102cm |
| 作品の状態 | 良好 |
| 額仕様 | 黒/うかせ |
| 額寸 (縦×横×奥) |
111x86x5cm |
| お届け期間 | --- |
| 特記事項 | ※通常エディションとは色違いです。 |
| 海外店頭価格 | 10000 ドル (2003/10/01 更新) |
| A000-00048 |