
ジョン・スパラガナの作品を目にすると、白く粉を吹いたような画面に引き寄せられる。作品は片側半分がまるで霧のようで、もう半分はなめらかな光沢を放つという、異なる質感がミックスされている。実はこれ、雑誌のグラビアページを容赦ないまでに引っかき、揉み擦ってぼろぼろにした作品なのだ。インクは剥げて退色し、紙の繊維は破壊されて、ティッシュペーパーほどの薄さにまでぼろぼろに加工される。作家はぼろぼろの面を「老い」、そのままの光沢のある面を「若さ」になぞらえているそうだ。素材となる街角のニューススタンドの雑誌や無作為に送られてくるDMの広告は、本来1ヶ月くらいで消費され、我々の意識からも消えてゆく運命にある。ぼろぼろにされたにも関わらず、美しい「アート」に変換されるのが面白く、皮肉を感じる。2004年から発表され続けている“Sleeping Beauty”シリーズは、ファッション雑誌に掲載されたメランコリックな美女をモチーフにした人気作である。「眠れる美女たち」の名の通り、ぼろぼろの部分はまるで霧の中で眠っているような、まどろんだ空間を演出している。フェアや個展を経るたびに価格が上がっていく実力派作家のオリジナル作品。どうぞこの機会をお見逃しなく!
1958年、アメリカ、ニューヨーク生まれ。
シカゴ在住。1980年ミシガン大学卒業、87年スタンフォード大学にて芸術修士号を取得する。近年、雑誌の広告写真を使った作品シリーズで高い評価を受ける。完璧なライフスタイルイメージを打ち出すピカピカに光ったメディア写真を、丸めたり引っ掻いたりすることで退色させ、イメージ自体を消失させる。完璧だと信じていたイメージが、ただの古ぼけた紙となる巧みな変換は、哀調的な気持ちを誘う。さらに、消費される予定であった広告写真が、ぼろぼろな姿になる事で“アート”に再変換されるのもまた皮肉な効果であろう。美しい中にもメッセージ性が込められた作品はこれまでにニューヨーク、ヒューストンを始めとするアメリカ各地や国外の展覧会で多数発表され、いずれも評判になる。2004年にはシカゴのMonique Meloche Galleryにて個展を開催。これまでに数々の賞や奨学金を受け、着実に実力とキャリアを伸ばしている注目の作家である。1987年からヒューストンのライス大学で教鞭をふるい、現在准教授として活躍中でもある。
| 制作年 | 2004年 |
|---|---|
| エディション | NA |
| サイン | あり |
| 技法 | 紙 |
| シートサイズ (縦×横) |
26.7x40.6cm |
| 作品の状態 | 良好 |
| 額仕様 | 黒 |
| 額寸 (縦×横×奥) |
41.9x55.9x3cm |
| お届け期間 | 約4週間 |
| 特記事項 | ※オリジナル1点物のためエディション番号はありません。※作家指定の額装になりますので、シート価格に額装費が含まれます。 |
| 海外店頭価格 | 1800 ドル (2005/12/19 更新) |
| A000-00733 |