
スウィフトの代表作『ガリヴァー旅行記』をモチーフとした2007年の個展「リリパット・フォー・ミー」において、山下のペインティングは、随想的な画面構成をもとに、清廉な表現力、透き通るような色彩感覚、流れるような映像感を背景に観る者を魅了しました。
山下は、映像や雑誌などに現される景色や人物のワンシーンに情感を見出しサンプリングし、コレクションしているといいます。“旅行番組の中で移動中に眠りについた人”、“湖の中へ入っていく人”、“傘を差して歩く人たち”、“夫を背負って歩く妻たち”・・・。制作にあたり、それら収集されたシーンの幾つかがモチーフへ添えられ、また時に、全く別の作品の中に繰り返し登場させられてゆきます。
コレクションされたシーンが、別々な作品の文脈における要素として成立させられると同時に、「引用」として機能していることに気付かされる瞬間、その手法的特徴がより印象を深めます。それはボルヘスが文学において「引用」という行為からハイパーテキストとも呼べる認識に思い至り、よりあたらしい創作を見出した、それに近しいともいえる兆しを垣間見るからかもしれません。
山下によって組織化されたモチーフは、個別のイメージが単に集合することを超えた新たなインターフェースです。そこに触れる私たちの視点は、容易に絵画空間の中に転位し、作品を自由に巡ることでしょう。
1979年静岡県生まれ
女子美術大学芸術学部卒業。2005年東京にて初個展「見上げれば、水の底」を開催。
若手のアーティストとディレクターによるアソシエーション「BOICEPLANNING」で唯一の女性作家として制作を続けています。
2002年に設立されたBOICE PLANNINGは、その活動や所属アーティストが評論家やキュレーターなど、美術関係者の高い支持を集めており、今後の動向が注目されています。
2007年の個展「リリパット・フォー・ミー」は「BOICE PLANNING」により企画されました。
| 制作年 | 2008年 |
|---|---|
| エディション | オリジナル |
| サイン | あり |
| 技法 | 油彩、キャンバス |
| シートサイズ (縦×横) |
45.5x53cm |
| 作品の状態 | 良好 |
| 額仕様 | ※そのまま掛けて楽しんでいただけます |
| 額寸 (縦×横×奥) |
0x0x0cm |
| お届け期間 | 約3週間 |
| 特記事項 | |
| 海外店頭価格 | no data (2008/04/09 更新) |
| C000-02364 |