
冷血にして華美な「花の庭」
自らの冷凍血液でつくった肖像彫刻「Self」(1991)で知られるイギリス人マーク・クイン。1964年生まれで、ダミアン・ハーストの1歳上。YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスツ)の代表的なアーティストです。最近では身体障害者の妊婦をモチーフにした大理石彫像や、ファッションモデルのケイト・モスをかたどった巨大な彫刻「スフィンクス」など、デビュー以来のセンセーショナルな作風は今なお健在。新作を発表するたびに話題を集める存在です。
一方で、2000年プラダのギャラリーで行った個展以来、花の庭を題材にした非常に華やかで美しい作品シリーズを発表し続けています。今回入荷した「Portraits of Landscapes」もそれに連なり、2007年発表のこちらは花のシリーズの最新作にあたります。生命の輝きを表現するかのごとく鮮やかに咲き乱れる花は、実は冷凍保存された「フリーズされた美」。美しさと隣り合わせにある死、マーク・クインの作品にはどこかそんな影がひそんでいます。以前にTAGBOATで入荷している「Winter Garden」(2004)と異なっているのは、モチーフが花以外に、フルーツもそこに加わっているという点です。
こちらの作品は写真をもとにしていますが、実物を見るとペインティングと見まがうような仕上がり。紙も光沢紙のようなツルツルしたものと違い、キャンバスのような生地感のある紙にプリントされており、重厚感があります。
クールでいて色鮮やかな一枚。モノトーン系のシックな家具とあわせて飾れば空間に華やかさが増すことは間違いありません。(2008.7.31 記)
1964年、ロンドン生まれ。
マーク・クインは84年頃に彫刻家として活動を開始したが、その名を知られるようになったのは91年に発表した「Self」という肖像彫刻がきっかけである。自分の頭部を型取りした後に、そこに自らの血液5リットルを流し込み、冷凍保存したセルフ・ポートレートがそれで、あまりのリアルさ生々しさは大きな波紋を巻き起こした。ダミアン・ハーストと同世代の彼はイギリスの90年代アートシーンを席巻した、YBA(Young British Artists)の代表格の一人とされる。またロンドン、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで最初行われ、その後NYのブルックリン・ミュージアムに巡回され話題を呼んだ展覧会、「センセーション」にも出品していた。常にデカダンな美を秘めた作品を発表し続けており、近年発表した「Garden」「Winter Garden」など花を題材にした作品においても、凍らせた花を使うことによって文字通り永遠にフリーズされた美と、そこにひそむ死、というクインならではのアプローチを見せていたのが記憶に新しい。
| 制作年 | 2007年 |
|---|---|
| エディション | 27/59 |
| サイン | あり |
| 技法 | ピグメントプリント |
| シートサイズ (縦×横) |
99x74.5cm |
| 作品の状態 | 良好 |
| 額仕様 | 白/直張り |
| 額寸 (縦×横×奥) |
0x0x0cm |
| お届け期間 | 約3週間 |
| 特記事項 | |
| 海外店頭価格 | (2010/01/01 更新) |
| C000-02612 |